1.4Krush、石川直生の相手はリアム・ハリソン!

昨日、発表があったわけですが。まさか“谷川EPからの刺客”がリアムとは。

だってリアム、K−1出たことないっすからね。それどころか全日本キックに3回出てる。でも、谷川さんが決めた相手だってのは確かなんだから不思議なもんで。

リアムは過去3回来日し、増田博正とサトルヴァシコバに勝利(増田とは2度やって2度ともKO勝利)。アグレッシブでパンチが強くて、なおかつオールラウンダー。こりゃやっかいな相手ですよ。

しかも、階級は石川より上。全日本キックでもライト級(60kgではなくキックのライト級)の相手とやってるし、最近は62kgを基本に67kg、さらに70kgの試合をしたことも。最近はタイでアヌワットともやってるし、今年MAXに出たジャバル“チンギスハン”アスケロフに勝ったりもしてる(70kgで)。今回の試合も、60kg契約ではなくなる可能性があるらしい。石川にとっては体重差への挑戦という要素も加わったことになるわけです。

つまり“谷川EPからの刺客”なのは間違いないんだけどK−1色は薄く、それでいて強いしデカい。いや、これ大変というか、いっそめんどくさい相手と言ってもいい。そういう相手とやって、結果出すだけじゃなく内容も求められるんだからねぇ……。KIDと渡辺一久に勝ったチョン・ジェヒとかとやるんなら分かりやすいんだけど、そうはいかないわけですなぁ。

あと、これは昨日飲みながら話したんですけど、石川ってK−1で名を上げて、60kg級と70kg級の地位を逆転させて、その上で後楽園でキックボクシングの試合をやるっていう目標があるわけじゃないですか。これ、二重に難しいんですね。そもそも60kg級をブレイクさせるのが大変なことだし、なおかつ一度メジャーになった選手は、メジャーのリングが最優先になって、ホームリングでハードな試合をする機会が激減しますから。山本優弥しかり、城戸もそうだし、総合でいえば所とかね。

だから石川の目標って現実問題としてどうなんだってところがあるんだけど、でも現実問題ばっか語っててもしゃあないからねぇ。だいたいK−1で70kg級が確立したことだって、10年前だったら「現実問題」として無理だと思われてたわけじゃないすか。いや、UFCのブレイクだってPRIDEだって、なんだってそうですよ。難しくて、誰もやったことないようなことをやるからこそ面白いんで、それを「でも、どうかねぇ現実問題として」なんて言いたくないじゃないですか。

とはいえ、石川がやろうとしてることがメチャクチャ大変なことは分かってるんですけどね。で、大変なことに直面した時にやるべきことは一つですよ、俺の場合。それは『逆境ナイン』(島本和彦)を読むこと。年に一回は必ず読み返してる。

「たかが100点差」
「無理がとおれば道理は引っ込む!」

いや、まさにそういうことだなぁと思いましたね。石川は「キックボクシングを世に出す」って書いた板と「余計な野望を抱かず後楽園の人気者であり続ける」って書いた板を用意して、前者を握りしめたってことですよ。石川のハイキックとか飛びヒザは、だから“男球”みたいなもんですよ。

まあ、考えてみたら逆境に直面してるのは石川であって俺じゃないんですが、「それはそれ、これはこれ」ということで。ワケが分かんないって方は、ぜひ一回『逆境ナイン』読んでみてください。むやみに力がわいてきますんで。

逆境ナイン (1) (サンデーGXコミックス)

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